雇用機会の創出と地域経済の活性化
持続可能な社会に向けて、政府期間や民間企業が様々な施設を新設・移設しております。例えば、国土強靭化に伴う防災センター、デジタル化に伴うデータセンター等。金剛山のふもとに位置する南河内は、海から離れた地盤の強い地域で、また、大阪都市圏にも近い地域なので、施設の立地条件として最適です。そのような施設を当地域に誘致し、雇用機会を創出するとともに、商工業を中心に地域経済の活性化を図ってまいります。全国的に少子高齢化・人口減少という社会潮流の中、南河内はその影響を大きく受けている状況ですが、施設誘致とともに子育て世代の流入を促進し、少子高齢化の緩和と定住人口の維持につなげてまいります。
広域観光振興の推進
当地域には4つの日本遺産があります。「1400年に渡る悠久の歴史を伝える「最古の国道」~竹内街道・横大路(大道)~」(松原市・太子町)、「中世に出逢えるまち~千年にわたり護られてきた中世文化遺産の宝庫~」(河内長野市)、「女性とともに今に息づく女人高野~時を超え、時に合わせて見守り続ける癒しの聖地」(河内長野市)、「葛城修験~里人とともに守り伝える修験道はじまりの地~」(河内長野市・河南町・千早赤坂村・太子町)。また、他にも、楠公さんゆかりの地、寺内町、狭山池、神社仏閣、有形・無形文化財、自然体験をはじめ、たくさんの観光資源があります。これらの観光資源を活かし、外国人旅行者の誘客を視野に入れた広域観光振興を推進してまいります。
道路整備の推進
大阪南部高速道路(略して、大南高)は、阪和・南阪奈・西名阪・京奈和の各自動車専用道路に接続する高規格道路で、当地域と大阪都心部や関西国際空港との接続性の向上だけではなく、奈良県や和歌山県を含めた広域道路ネットワークの構築に寄与し、産業振興に加え、観光振興や防災に多大な効果をもたらす道路です。2021年7月、国土交通省の「近畿ブロック 新広域道路交通計画」に調査中路線として位置づけられましたので、その実現に向けて推進してまいります。また、他にも、当地域には南河内フルーツ・グリーンロード(広域農道および農免農道)が数ヶ所に分かれて存在します。延伸により全ての道がつながるように、沿道における農林業の活性化を含めて整備を推進してまいります。
教育環境の充実
ビジネスだけでなく、スポーツや文化活動等においてもグローバルに活躍するためには、世界の共通言語である英語が重要になります。英語でのコミュニケーションが上手くとれれば、活躍の場はさらに広がりますが、英語力は多くの日本人にとって改善すべき喫緊の課題です。南河内に体験型英語学習施設を設け、子どもたちがネイティブスピーカーと英会話する機会を増やしてまいります。また、GIGAスクール構想により、ほとんどの学校において、1人1台コンピュータ端末環境が実現されましたが、ICTは日進月歩で発展しますので、いずれ端末更新の時期を迎えます。各自治体の財政事情が子どもたちの教育環境に影響を与えないように、国として対策を取ることを推進してまいります。
移動支援の推進
金剛バスの全路線廃止は記憶に新しいところですが、今後の南河内における地域公共交通網の維持は重要な課題です。バス・タクシー事業者にとって、運転手の人手不足が深刻ですが、通勤客や通学客を中心に利用者の減少も大きな課題となっています。車社会と言えど、高齢者の運転免許証返納後の生活等を支えるためにも、公共交通の維持は必要です。一方、地域公共交通網で不十分な部分に関しては自家用有償旅客運送があり、交通空白地における住民や来訪者のための輸送を担う「交通空白地有償運送」と、障害者や要介護者等の福祉輸送を担う「福祉有償運送」の2種類があります。技術的にまだ困難な状況ですが、南河内の公道において、完全無人の自動運転バスの導入も推進してまいります。
「健幸社会」の推進
住民が健やかで幸せに暮らせる「健幸社会」を推進するためには、肉体的にも精神的にも健康であるための環境が肝要です。ハード面では、文化・スポーツ施設、コミュニティ施設、公園、遊歩道、自転車道などの整備、ソフト面では、介護予防、メタボリックシンドローム予防、孤独・孤立防止、生きがいづくり、食生活改善などの施策が重要となってまいります。河内長野市長を2期8年務めて感じたことは、まちづくりの中枢は地域住民の参画であり、住民の健幸はまちの活性化につながるということです。南河内で生まれ育った方々をはじめ、南河内を「終の棲家」として選んで下さった方々が、「健幸社会」を意識できるような環境を整備してまいります。